日本人はなぜ政権を選び取ることができないのか、考え、論じる
 
維新はもう少し大人になれ

維新はもう少し大人になれ

ここまで、色々な可能性についても述べた。最後に、それに加えるものとして、維新の政権交代への前進に関して、筆者の思いを改めて確認しておきたい。

筆者は政党、国民の成長のためにも、政党間の対等な競争、政権交代の定着が必要だと考える。日本がゆっくりと沈むことを避けるには、急がば回れだが、これしかないと思っている。本当は左右の大政党が対峙し、国民が必要に応じて双方(のグループ)から選べるような政党制を希望しているが、本章では維新の立場に立って考えた。もし、筆者の希望通りにならない場合には、政権交代の定着を優先すべきだと考える。政権交代を阻むようなことは、どの政党もすべきではないと考えている(~党が野党第1党では政権交代は起こらないという主張には、基本的には与しない。よほど危険な政党でない限り、野党第1党を育てることが急務だと考えるからだ)。

もう、過去の教訓は教訓として、そろそろ野党間の対立感情、互いを蔑む感情を克服し、それこそノーサイドにするべきだ。現状のままでは、維新の力も発揮されないと思う。多少発揮されるとしても、ごく限定的なものに留まるだろう。もっと戦略が必要だ。しかしそれはもちろん、比例区での票の上積みのために、勝てない候補を立てまくるという、無意味なものであってはならない。

野党間の選挙協力を求める人々にも、それを野合だと批判する人々にも、それぞれ理屈はある。しかし選挙にはルールがある。日本の選挙制度は、政党の数を減らして1対1に近付ける、小選挙区制を中心としている。だから「~党と~党の連携は野合だ」と批判する人々は、陣営の数を減らす事と両立する範囲での、組み合わせの変更を求めるのでない限り、選挙制度の変更を合わせて主張するべきだ。それが筋だ。

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