日本人はなぜ政権を選び取ることができないのか、考え、論じる
 
野党の2択(⑨)~憲政本党大石の変化、再編の芽~ 註

野党の2択(⑨)~憲政本党大石の変化、再編の芽~ 註

註1:貴族院を度外に置くというのも進歩的ではあるが、同院での予算、法案の可決を、大石はどうやって実現させようと考えていたのであろうか。考えられるのは、イギリスのように、総選挙で示された民意(与党の勝利)、世論を背景に、協力せざるを得なくなるようにすること、それを慣例とする(できれば明確に制度化する)ということだ。

註2:薩長閥にすり寄って強くなり、それから薩長閥を吸収するというのも分かるが、弱い立場であれば、吸収される可能性の方が高い。それでも薩長閥が政党化すれば良いのかも知れないが。

註3:リスクについて具体例を挙げれば、薩長閥と共に政権を担い、多くの所属議員が与党のままでいたいと思うようになり、党が薩長閥と手を切ろうとしても、党が大分裂に至るということが起こり得る。自党中心の政権を誕生させてもらった立憲政友会よりも、議席数に起因する限界などからそれが難しい憲政本党の方が、そうなる危険性は高いかった。比較的最近のことだが、2000年、自民党、公明党との連立政権から離脱しようとした自由党において、半数を上回る議員が離党した、という例もある(1党優位の傾向が強い日本において、「連立離脱」という場面自体が非常に珍しいので、この例を、特殊なものだとすることはできない)。

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