日本人はなぜ政権を選び取ることができないのか、考え、論じる
 
2大民党制・第3極(⑧)~第22回議会の採決に見る衆議院の2ブロック化~ 註

2大民党制・第3極(⑧)~第22回議会の採決に見る衆議院の2ブロック化~ 註

註1:伊藤正徳編『加藤高明』上巻554~555頁。第1次桂内閣側の勢力の反感を買ったということが記されており、『国民新聞』が引用されている。原敬も、2月19日の日記(原奎一郎編『原敬日記』第2巻続篇315~316頁)などで、加藤が苦慮しているようであることを記している。原は加藤について、内閣を短命と見ていて、藩閥に対する悪感情を持っており、軍人を抑制しようとしているが、内閣を強固にしなければそれは出来ない。それを理解しないのは幼稚だとしている。

註2:原奎一郎編『原敬日記』第2巻続篇319頁(1906年3月2日付)。3日付(同319~320頁)の日記からは、井上の意見を容れて、製鉄所拡張案を継続費にするなど、原が反対派の実業家の希望を容れるように努めていたことが分かる。さらに14日付(同321~322頁)では、「議員間に運動する内報を得たり」として、九州鉄道の仙石貢らを警戒するよう、警視総監に命じたことが記されており、15日付(同322~323頁)には、大同倶楽部の久保伊一郎も運動をしていることについて、佐々に注意をしたことが記されている。

註3:3月12日付の東京朝日新聞は、小鉄道に関係する憲政本党の議員20余名が幹部に採決における例外を申請したことを報じ、許されない場合は4、5名の離党者が出るとしている。

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