1-10自民党の強さの秘密~あまりにでき過ぎた構造1.政権交代論

地方に根を下ろせない野党第1党

自民党は明治以来形成されてきた基盤を持ち、都道府県知事、市町村長、都道府県議会、市町村議会の多くを事実上押さえている。野党第1党は一部の例外を除けば、首長選において自民党の候補といえる人物に相乗りすることで、少しばかりの影響力、議席を何とか確保しているという状況だ。地方議会では、むしろ公明党や共産党という、組織のしっかりしている中規模政党の方が健闘しているとうことが、多々ある。

このことは国政選挙にも影響を及ぼしている。選挙区の住民とより近い地方議員、地方で強い影響力を持つ首長を味方にしていることが有利に働くからだ。このことを考える時、やはり自民党があまりに強すぎると言わざるを得ない。新党が、自民党の大物離党者を多数含むものでない限り、地方に根を下ろすのに長い時間を必要とすることは言うまでもない。

なお、かつての左派の候補が主張となった革新自治体は、都市部に多かった。そして民主党が第2党になると、東京都を囲む神奈川、埼玉、千葉県の知事が民主党系となった(正確には、千葉県は社会党からさきがけに移っていた堂本暁子。埼玉県は上田清司、神奈川県は、その後みんなの党、次世代の党、希望の党、日本維新の会に属した松沢成文)。しかし自治体の議員の選挙は、一人のトップを選ぶ首長選挙のようにはいかないし、国政選挙においては、都市型の選挙区は、地方型の選挙区よりも、票の重みが小さかった(1票の格差)。