日本人はなぜ政権を選び取ることができないのか、考え、論じる
 
野党再編(③)~非政友会勢力の旗~

野党再編(③)~非政友会勢力の旗~

山県-桂系が政権の中心になると、大同倶楽部(吏党系)は、内閣に批判的になる事もあり得るような、対外強硬姿勢を採りにくくなった。山県-桂系・桂内閣は、立憲政友会・西園寺内閣と比べて清と大韓帝国に強硬的ではあっても、政権を担う勢力として、指導者層は非常に現実的であり、対外強硬派ほどの強硬姿勢ではなかった-立憲政友会・西園寺内閣の穏健な姿勢が現実的であったという話ではない―。吏党系には対外強硬派という面もあったが、その姿勢を強調した背景には、勢力を強めた自由党系、あるいはその自由党系が中心の内閣への対抗、抑え役という面もあったと考えられる。

対外強硬路線というものが、それまでのように左右両極が一致して採り得るものではなくなったのだと言える。かわりにその地位を得たのが、立憲政友会の利益誘導・放漫財政への反対であった。この点で改進党系は、個々の公共事業については別として、本来全体的には消極財政を志向していたから、分裂さえしなければ、第2次桂内閣支持派の中心になることも期待し得た。

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