日本人はなぜ政権を選び取ることができないのか、考え、論じる
 
野党再編・政界縦断・1列の関係(⑨)~桂に見限れる非政友会勢力~

野党再編・政界縦断・1列の関係(⑨)~桂に見限れる非政友会勢力~

非政友会・親桂内閣の勢力がまとまって、立憲政友会1強の構図が弱まることは、第2次桂内閣にとっても当然、有利なことであった。しかし、小さくなっていたとはいえ、第2党の地位を守っていた憲政本党が一丸とならなければ、仮に再編が進んでも、規模が小さ過ぎて、構図を変化させるための土台とはなり得なかった。だから憲政本党の分裂状態と、同党の中で自分達に敵対的な非改革派が、改革派に勝利したと言える状況を見た桂は、「一視同仁」の方針を事実上捨てて、立憲政友会と交渉をした(徳富猪一郎編『公爵桂太郎傳』坤巻415頁。記述は立憲政友会との実際の交渉に関するもの)。この桂の変化は、改革派の力をさらに弱めたと考えられる。

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