野党の不利は何より経験不足によるものであるが、与党としてのわずかな経験すら質の悪いものにしてしまい、信用を失う要因にもなるのが、実現不可能といえるような公約である。
そのような公約を掲げなくても政権につけそうだと、野党第1党には思わせなければならないのだが、野党が現実的な提案をしても注目せず、何でも反対のアピールをしたときには、喜んだりあきれたりしながらも、大きく取り上げるのがメディアであり、それは視聴率が比較的良いからだ。「非現実的な主張、政策じゃ与党になっても何もできないのは分かったけど、でもそれをやめたら、誰も気にしてくれなくなるしな・・・」と、野党第1党に思わせないように、与野党間の政策の差異、政策論争に、国民はもっと関心を示さなければならない。そうでなければ、目立つことによって政権についた挑戦者が、公約や基本姿勢の修正の是非を巡って内紛、国民とのすれ違いを起こして右往左往したまま、つまり政策実行の有意義な経験を積まないまま、野党に落とされるだけで終わる。