1.政権交代論

北欧諸国

デンマーク、スウェーデン、ノルウェー(スウェーデンから独立)の3国は立憲君主制となると、国王とそれを支える保守派から、選挙で最も大きな支持を得た自由主義政党に、政権が移った。自由派が左翼党、保守派が右翼党となった(よってこの場合の左翼は、通常用いられる左翼とは違う)。どの国にも、保守系、自由系(大土地所有者が保守派に対抗したデンマークでは、農業系を兼ねる)、キリスト教プロテスタント系(キリスト教的価値観、キリスト教教育を重視するが議席数は少ない)、農業系(農業者の減少を受けて中央党に改称し、地方分権などを唱える)、社民系(万年第1党となる)、共産党系(議席数は少ない)の政党を持ち、自由系は、当初は保守系に対抗する、下院の最大勢力であったものの、右派が保守系に移ったり、左派が急進派を結成したりという分裂を経験し、農業系や社民系に支持基盤を削られた。全体的に社民系が躍進し、国民の左傾化を抑えるためにも社会保障制度が重視されるようになる中で、変化を受け入れるようになった保守派と、社民系に寛容であることが多かった自由派の差異は非常に小さくなった。冷戦後期、EU、移民に否定的で、右派政党もかなり受け入れていた高福祉高負担に反対であることが多い、右翼ポピュリズム政党が主要政党に加わった(ノルウェーはEUには加盟していない。EUには、左翼政党も否定的で、他の政党内でも意見が分かれていることが多い)。3国のいずれにおいても社民系が強く、政権を担当している期間も長いが、社民系の優位が定着する過程においては、多党制であるがゆえに右派陣営も左派陣営も多数派形成が難航し、国王が内閣の成立に影響を与えるケースがあった。しかし過半数を超えなくとも、社民系の優位が動かなかったこと、国王や各政党の自重があり、議院内閣制が定着したのであった。国王の権限の縮小や選挙権の拡大はもちろん、二院制を一院制に改めたことが特徴的だ。

デンマーク

スウェーデン

ノルウェー