3人区に統一した、中選挙区制はどうか

中選挙区制について、かつてのように2人区や、5人区(最後には4つの2人区と、1つの6人区までできた)ではなく、3人区とした場合について考えたい。これは以前、公明党が唱えていたと記憶している。3人区にすると区割が不自然になるところもあるだろうが、その問題は、ここでは考えないものとする。

単記制、つまり1人の候補者にしか投じない場合は、多くの選挙区がまずは自民、公明、立憲となると考えられる(一部は自民、公明、維新、または自民、維新、立憲となるだろう)。そこから左派野党で2議席というのは難しいので、今と変わらないと想像していた。

しかし改めて考えると、これでは自民党が公明党と同水準の議席数となる。そこまで後退することを、与党の立場を守れるからと言って、自民党が受け入れるとは考えにくい。であれば自民党が2人立てて、共倒れのリスクにも直面する。また第3極が浮上しやすくなり、(小選挙区制のように、第2極と第3極が共倒れもせず)主要3党が対等になる可能性もある。

3党が並び立つ状態は、政治を不安定にさせるだろうが、過渡期としては非常に良いと、筆者は考えている。そうではなく、大きな自民、立憲、それよりは小さい公明、維新、というような形であっても、今よりも有権者は自由に選べるし、選びやすいだろう。だから変化を期待できる。自民、公明、維新が組んだ場合、与党で全議席を独占し続けるか、3党がすみ分け、候補者を2人に絞らなければならない点が、良いとも思う。組むために越えなければならないハードルが高く、自民党に他の政党がぶら下がる構図に、今よりは、あるいは4人区以上の場合よりは、なりにくいと考えるからだ。

しかし一方で、3人区のうちの2人分が、「自公維連立」の指定席となり、五十五年体制のように政権交代が極度に難しくなる危険がある。

また、1つの政党、1つの政党連合の内部で、票をうまく分け合わないと複数当選させられない制度というのは、有権者の意志だけでなく、政党側の票読み、票割りの技術、さらには偶然の要素が左右するので、問題がある。

完全連記制、つまり3人に投じる場合は、簡単に言えば、自民も立憲も3人の候補者を立て、それぞれの支持者は、その3人に投じるから、小選挙区制と似た結果になる。ただし、「自民の2人と立憲の1人」というような、イレギュラーな投票もあるから、小選挙区制よりは少しは中選挙区制単記制(単記制に限って中選挙区制と呼ぶなら、単に中選挙区制とすれば良いが)に近く、変化が起こりやすいと思われる。制限連記制(複数だが、定数分には投じない―もちろん投票できる人数を定める―。3人区なら2人に投じることになる)の場合、より単記制に近くなる。

まとめると、今の制度でも、比例代表との並立制であるから、比例部分で、多少変化が起こりやすくはなっている。それと今見た3人区とどちらが良いかは、もっと分析しなければ分からない。今の制度のまま比例だけを廃止するよりは、3人区の中選挙区制が良い面もある。しかし一定の変化はあっても、政権交代が起こりやすいかと言えば、それは難しい。政党側の技術に左右される点も、上述の通りあるし、それならいっそ、国民の変化にも期待して、小選挙区制に賭けてみる方が良いのではないかと、現段階で筆者は考えている。