3-09. 第3極のそれぞれの型の役割3.補論

9. 第3極のそれぞれの型の役割

第3極の役割についてはすでに定義したが、5類型が全てそれを担うべきものであったわけではないし、役割の全てを担うものであったわけでもない。役割を担わなかった政党、会派を分析する対象から外そうというわけではないが、確認しておきたい。

一般的中立、中立実業派は、第3極の役割を担うのに適していたといえる。しかし吏党系と親薩摩閥は違う。両者は基本的には薩長閥、または薩長閥内の一勢力を支持すべきものであり、薩長閥やその一部は基本的には権力の側にあったから、吏党系、親薩摩閥が取りこぼされた民意を代弁する勢力であったとは言い難い。ただし、民党と異なる立場であった薩長閥(の一部)と、それを支持する有権者を代弁する役割を担うことはあった。また、一方の当事者に、少なくとも準ずる勢力であったそれらが、薩長閥と民党の対立を打開することは当然難しかった。

新民党は、2大民党を結びつける役割を担うことが多くあった。これは薩長閥と民党の対立を打開するのとは異なる役割である。しかし共に衆議院を主戦場とする2大民党が対抗関係を強めた場合、新民党はその一方に付くことで、時に情勢を変える力を持ち得た。また2大民党が共に薩長閥に接近する状況下においては、無視されることとなる「反薩長閥」の民意を拾い上げる役割を果たし得るものであった。

なお、複数の、時に異なる第3極の諸勢力がまざるようにして他の勢力に影響を及ぼすこともあった。