日本人はなぜ政権を選び取ることができないのか、考え、論じる
 
歴史・戦前編No.7~13

歴史・戦前編No.7~13

歴史・戦前編No.7

政党が民意を見て、立ち位置、政策、理念を変化させる事はあって当然だと思います。しかし日本の場合、自由党系優位である事が多かったとはいえ、一応ライバルであった大政党が、重要問題で短期間に入れかわるような変化をしている。これを問題視するというよりも認識をして今、政党政治の成長に活かせればと思います。

 

歴史・戦前編No.8

戦前に政権交代が少し定着しかけた事は、大きな進歩でした。しかしそれが、第2党が育った結果ではなく、優位政党の分裂に依拠するものであった事は、その進歩に限界を与えたと思います。優位政党の分裂に始まる再編が、理念、政策というより、単なる主導権争いに近かったからです。今、自民党が分裂すれば日本は変わるとは思いますが、それを期待し、それに依存してはいけないのだとも思います。

 

歴史・戦前編No.9

第16回総選挙は僅差でしたし、当時の有権者を批判したいわけではありません。ただ政党内閣期は短か過ぎましたし、有権者が政権を取りかえる経験はできず、戦後もほぼそのまま行ってしまった事は確かです。戦前の政権交代は元老によるものでしたが、1955年以降は、自民党政権が自ら総理を交換、有権者が選挙で追認、という形になって、元老と政党が事実上合体したような面もあると感じます。

 

歴史・戦前編No.10

議院内閣制ではなかった戦前の政党システムをまとめる意味は小さいと思いましたが、このような形にして見ると、日本の保守政党が他の先進国等の保守政党と異なる理由がより良く分かった気がしました。藩閥という権力に自分達を認めさせ、取って代わるために選挙で勝ち続ける事が必要だったからだと。立憲同志会系が長く野党暮らしに耐えられたのは、加藤高明-三菱の財力によるものだと言われますが、右上の図で見た事も、関係あるように思われます。

 

歴史・戦前編No.11

政友会も同志会も結成時の構想は事実上の一党制のようなもので、ライバルとなるはずの政党まで切り崩そうとしました(大規模なものにはなりませんでしたが)。アメリカ議会を視察した日本人は激しい議論に引いたようですが、これらの構想には和を尊ぶ日本らしさだけでなく、対立勢力の存在を、少なくとも意味があるものとしては認めない、勧善懲悪のような面もあると感じます(大変な時代だったとは言え)。

 

歴史・戦前編No.12

日本と欧米は違うのだから比べられない。それも分かりますが、共通点も多くあります。欧米の歩みは基本であり、学ぶ点も多いと思います。日本の政治にも優れている面はありますが、欧米の基本を身に付けるとそれが損なわれるという事はなく、深刻な欠点が改善されると考えています。

 

歴史・戦前編No.13

戦前の課題は戦前の課題、という訳でもなく、国家、社会の各発展段階における課題であり、飛ばしてしまう事のリスクは大きいと考えます。

Translate »