1.政権交代論

国民民主党のこれから

立憲民主党も試されているが、国民民主党も試されている。同党の選択肢は以下の通りであり、それを巡って分裂する可能性がある。

①立憲民主党を中心とする野党共闘の深化。

②立憲民主党を中心とする野党共闘の継続を続けるも、立憲民主党と主導権争いをする。

③日本維新の会と連携して自民党に寄る

③日本維新の会と連携して、独自の中立的な第3極を形成する

(立憲民主党と野党同士、限定的にであれ組む可能性はある)

④直接自民党にすり寄る

このままいくと個々の議員がそれぞれ好きな道に進むことになってしまうのではないだろうか。市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合という正式名称の、野党の協力を目指す市民の団体)との協定にサインをして左派政党の共闘に加わりながら、選挙が終わったとたん、野党第1会派を維持(もともと野党第1会派であったが、選挙前は立憲民主党の会派と同数になっていた)するために維新の会と統一会派を組むというのは、常軌を逸していると言わざるを得ない(筆者は報道で見ただけで、誰の動きなのか、そもそも本当のことか、分からない)。立憲民主党が、自民党と国民民主党の現職がいた2人区の静岡県選挙区に候補を擁立したせいなのかも知れないが、そうでないなら、やはり国民民主党を信用するべきではなかったということになる。そしてそうであっても、不満があるのは分かるが、それは本来別の話である。国民民主党の候補を野党統一候補にして、当選したらその候補が自民党に寄るというのは、ただでさえ多くの当選者を出すことが出来ない、そんな野党に与える打撃の大きさを考えれば、万死に値する行動だと言っても良いだろうと思うほどの行動だ。

筆者は国民民主党の玉木代表の懸命さには、胸を打たれるものがあり、応援したいと言う気持ちが強いが、やはり発言のブレは大きすぎると思う。これも懸命さの表れなのだろうが、本音と、代表としての立場の乖離もあるのではないだろうか。このことや、参院選後の揺れとも不統一ともし得る動きを見ると(誤報であれば別だが)、やはりかつての民主党の「学級崩壊」体質は、国民民主党が継いだのだと思わされる。

民主党系は、本当にここが正念場である。特にれいわ新選組とどのような関係を築くのか、対立するのか、そして国民にどう訴えていくのか。これからが、民主党政権の挫折の後の、日本の政治の最大の分岐点なのだと思う。

国民民主党は現実的な左派政党という立場を明確にするべきだ。立憲民主党は保守を自認しているわけだが、国民民主党は中道を自認している。しかし玉木代表も、同党結成の源流にある前原元民進党代表も、平等を重視する姿勢を示しているし、労組が最大の支持基盤なのだから、他国で言えば社会民主主義政党なのであり、それを宣言する必要があると思う。

「私達は左だ」、「私達は社会民主主義者だ」としつこいくらいにアピールして、はじめて現実的な安全保障政策等に、左派野党の、支持者らしい支持者にも聞く耳を持ってもらえるかも知れない、ということだ。欧米の社会民主主義政党を目指すという試みも、すでになされていると言えるが、日本の社会党系よりも成功し、与党経験も豊富なヨーロッパの社会民主主義政党には、今苦境に立たされているものが少なくない(たとえばドイツの社民党、フランスの社会党)。その苦しみを共に味わい、協力して、イギリスの労働党のような、左傾化という選択肢も排除せず、未来を切り開くことができれば、社会民主主義政党というもののの未来だけでなく、この先日本が悩まされる問題についても、解決策を見いだせるのではないだろうか(註)。大きな話だが、それくらいの意気込みでいれば、必ず注目されると思う。インターネットの活用も素晴らしいが、このような挑戦も、もっとしてもらいたい。平等重視については、左派政党の右派として、多少厳しい姿勢をとっても良いが、それが労組の、正規雇用の人々を向いたものであってはならない。

 

註:イギリスの労働党については『他国の政党、政党史』イギリス参照。『政権交代論~内なる病、1党優位~』の「民主党はかつて、第3極だった」「民進党の姿を決めているのは自民党?」「民主党→民進党よ労組を切れ!と簡単に言うな」「維新、希望とイギリス、ドイツの地域政党~政権交代を阻むもの~」などでも触れている。