日本人はなぜ政権を選び取ることができないのか、考え、論じる
 
投稿者: <span>伊吹健</span>

実業派の動き・1列の関係(⑩)~実業派「復活」の兆し~

予算案、増税に関する法案は、大同倶楽部の議員達の賛成を得て成立したが、実業家層からの反発は大きかった。全国の商業会議所の委員は、1908年2月14日、国力に不相応な軍拡を是認し、不生産的歳出に偏重した歳計を議決したとして …

1列の関係・2大民党制・第3極(⑩)~4極から2極への歩み~

吏党系は小さいとはいっても、貴族院の多数派も影響下にある、山県-桂系という大勢力に連なっていたことで、一定のインパクトを持っていた。つまり自由党系、改進党系、吏党系が並び立っているという面も、確かにあった。この3つのうち …

第3極(⑩)~予算案、増税案に対する第3極の議員の賛否~

予算案、増税案に対する賛否について、第2読会に進むことの是非を問う、記名投票の結果が残されている(『帝国議会衆議院議事速記録』22第24回帝国議会90~93頁)。それを見ていく(各会派の賛否、棄権の数は衆議院の議事録、『 …

新民党・実業派の動き(⑩)~財政の古くて新しい対立軸、郡部と市部~

この当時の2極化とは、立憲政友会と非政友会であるわけだが、これとは違う見方もできる。大同倶楽部の臼井哲夫は、猶興会以外の会派が積極財政で一致したことは評価し、ただ第1次西園寺内閣が、「豫算ノ遂行財政ノ按排盡く處理ヲ誤」っ …

1列の関係(⑩)~内閣不信任案と非政友会勢力~

軍事費や公共事業を繰り延べるなどの緊縮財政の上に、増税までしなければならなかったにも関わらず、山県伊三郎逓相(山県の甥で養子となった。内務省出身)は、鉄道会議(鉄道敷設法に基づいて1892年に設けられた、鉄道を管轄する省 …

(準)与党の不振(⑩)~政党的吏党と増税~

1907年7月4日付の読売新聞は、大同倶楽部が繰り延べに反対することに決したと報じているが、「陸海軍及び逓信部内」に反対意見があるという記述を受けていることから、同派が軍拡や鉄道敷設の繰り延べに反対であったということだろ …

野党の2択(⑨)~改進党系の山県-桂系への接近~

対外強硬派と合流して進歩党を結成して以来、薩摩閥、自由党系(自由党系とは合流までしたが、短期間でほぼ元の通りに分裂)、そして再び対外強硬派、再び自由党系と、(状況をリードできないままに)組む相手を替えてきた改進党系が、初 …

1列の関係・1党優位制(⑩)~政権を得た野党による増税~

原は山県-桂系が政友会内閣に増税を押し付け、その後政権を奪うということを恐れていたようである(註)。帝国議会開設前はもちろん、その後も、薩長閥は優位政党のような存在であった。それに衆議院での優位政党であった自由党系が挑戦 …

第3極・(準)与党の不振・1列の関係(⑧)~吏党系と民党系の接近~

1907年2月28日付の東京朝日新聞は、大同倶楽部中に、地方の関係上憲政本党との永久的提携を好まない者がおり、柴四朗、駒林広運、武市庫太、是永歳太郎らが、郡制廃止案に関する協力は止むを得ないとしても、そのために将来の提携 …

(準)与党の不振・1列の関係(⑧)~桂園時代の「野党吏党」の立場~

大同倶楽部は、憲政本党と対外硬派として連携することには、否定的であった。1907年6月15日付の読売新聞は、同年の府県会議員選挙に際して、憲政本党が外交、財政問題について政府を攻撃しようとしており、桑港問題を利用して大同 …

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