日本人はなぜ政権を選び取ることができないのか、考え、論じる
 
投稿者: <span>伊吹健</span>

「政権交代」後の失敗をなぜ、何度も何度も繰り返したのか

日本が経験した16回の政権交代を挙げた。そのうちの①(第3次伊藤内閣→第1次大隈内閣)、②(第2次山県内閣→第4次伊藤内閣)、⑧(清浦内閣→第1次加藤高明内閣)⑬(第1次吉田内閣→片山内閣)、⑮(宮沢内閣→細川内閣・次の …

民主制が成功しているように見える、まやかしの政権交代の数々

約130年前に帝国議会が開設されてからの政権交代(筆者が「まとも」だと定義しているものに限らない)の一覧をここに掲載する。しかし読み飛ばして頂いて構わない。有権者が選択したものではない例がほとんどだということ、重要な政権 …

議会ができて130年、一度だけしか政権交代をしたことがない日本

国会(戦前の名称は帝国議会)、それを構成する二院の一方である衆議院ができてから130年近くが経っている。それだけの年月の間、日本はまともな政権交代をほとんど経験していない。だから、外圧を受けて国の制度が大きく変わった幕末 …

参議院がある

そう、日本は二院制であり、一部の重要な問題について衆議院の優越が認められているものの、一般の法案に限れば、参議院は拒否権を握っているといえる(それでも、参議院で否決された場合、衆議院において3分の2の賛成を得れば成立する …

冷戦終結当時の政治の変化 ~十代の筆者が感じた矛盾~

中学受験の勉強を通して、政治の仕組みを少し知るようになった小六の夏の、ある朝のことだった。父親が「大変なことになったな」と、いつものように新聞を見ながら、しかしいつもとは少し違った声のトーンで、つまりいくらか興奮気味に言 …

はじめに ~日本の内と外の脅威~

「政権交代が起こる政治を定着させなければ日本は駄目になる。」 こう言うと、たいていの場合笑われる。民主党政権と比べれば、安倍内閣はずっと良いと。確かに安倍内閣は民主党政権よりも積極的に動いているし、経済も上向いているよう …

3-25. 第7回総選挙以後の選挙区ごとの当選者の所属について(仮)

表補-H:第7~10回総選挙の選挙区ごとの当選者の所属 ・市部と郡部を合わせたもの、それと重複するが市部のみのもの、郡部のみのもの、という順でまとめた。 ・中立会派のみを黄色くした。 ・補欠当選、更正などは省略した(⑧高 …

3-24. 2つの政界再編構想による中立壊滅、第3極縮小

実業家層には本来、その全てにとは言わないまでも、自らの利害を代表する政党が必要であった。当時議会制を採っていた他の国々を見れば、商工業を主な支持基盤とする政党と、農業を主な支持基盤とする政党が分立していた。ドイツ帝国のよ …

3-23. 第3極に働いた遠心力と求心力

第3極が上下左右に引き裂かれる状況(図補-I参照)は、一度薩長閥と民党の対立が復活しただけで、すぐに変わるものではなかった。第3極は、右から国民協会、山下倶楽部、同志倶楽部と、3つに整理されたものの、薩長閥側、中立、民党 …

3-22. 薩長閥政府の多数派形成の行き詰まり

吏党系の分解と、それによって生じた勢力や吏党系の系列化は、その原因である薩長閥政府自体にも、大きな影響を与えた。衆議院における多数派形成の行き詰まりである。薩長閥は、自らの首を絞めていたのである。 第1次松方内閣期まで、 …

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