目 次
- はじめに ~日本の内と外の脅威~
- 冷戦終結当時の政治の変化 ~十代の筆者が感じた矛盾~
- 歴史上一度だけの政権交代
- 他国の政権交代
- そもそもなぜ、1党優位になったのか
- 自民党以外の政党は、自民党にお願いして政策実現?
- 公明党は「第3極」になるべきか
- 第2党は一体何度生まれ変わればよいのか?
- 第3極も、何度も登場
- 自民党の強さの秘密~あまりにでき過ぎた構造~
- 世襲
- いつも優位政党の離党者に頼らざるを得なかった野党
- 日本の第2党はなぜ弱いのか
- 民進党に注文をつけるのは簡単だが
- 民主党政権の失敗も1党優位のせい!?
- 民主党の成長と幼さ
- 民進党にできたこと、できること
- 左派政党の刷新も政権交代も、イタリア人は成し遂げた
- 第3極がぶつかる壁
- 期待の星、第3極の新党の問題点
- 2012年総選挙、自民でも民主でもない地方分権派勝利の夢
- 小池新党圧勝に日本の未来はあったのか
- 野党が駄目だというのなら、どんな政党制を望むのか?
- 挑戦者をコロコロと替えないこと
- 結局協力するならケンカをするな
- 恐ろしい1党優位制、つまり自民党1強の弊害
- この国を守るためには、左派も右派も必要
- 政党を「コロコロ変える」には2種類ある
- 世界の1党優位
- そんな日本の政治に2つの提案
- 民進党の分裂について
◎はじめに ~日本の内と外の脅威~
「政権交代が起こる政治を定着させなければ日本は駄目になる。」 こう言うと、たいていの場合笑われる。民主党政権と比べれば、安倍内閣はずっと良いと。確かに安倍内閣は民主党政権よりも積極的に動いているし、経済も上向いているように見える。民主党は自らの政権に関してまともな総括をしていないし、その後継の民進党は大分裂を起こし、深刻な状態にある。
しかし長い目で見た場合はどうであろうか。少子高齢化の加速、我国の周辺だけに限らない、重要な国々の危うさを孕む変化、そして核廃棄物の処理など、先送りした課題がたまっているエネルギー問題…続きを読む
◎冷戦終結当時の政治の変化 ~十代の筆者が感じた矛盾~
中学受験の勉強を通して、政治の仕組みを少し知るようになった小六の夏の、ある朝のことだった。父親が「大変なことになったな」と、いつものように新聞を見ながら、しかしいつもとは少し違った声のトーンで、つまりいくらか興奮気味に言った。新聞の一面にあったのは1989年夏の参議院議員選挙、自民党が大敗した、その結果だった。…続きを読む
◎歴史上一度だけの政権交代
- 議会ができて130年、一度だけしか政権交代をしたことがない日本 →
- 民主制が成功しているように見える、まやかしの政権交代の数々 →
- 「政権交代」後の失敗をなぜ、何度も何度も繰り返したのか →
- 戦前の政権交代は順序が逆だった →
- 戦後初、総選挙の結果を踏まえた政権交代の問題点 →
- 1993年総選挙、細川内閣誕生の問題点 →
- 疑似政権交代の背景にある自民党の多様性と中選挙区制 →
- 自民党内の疑似政権交代の限界 →
- 高支持率の小泉内閣と、その限界 →
- 一票の格差の是非 →
◎他国の政権交代
◎そもそもなぜ、1党優位になったのか
◎自民党以外の政党は、自民党にお願いして政策実現?
◎公明党は「第3極」になるべきか
◎第2党は一体何度生まれ変わればよいのか?
- 繰り返す合流 →
- 改進党系の苦悩 →
- 立憲同志会系の苦悩 →
- 戦前の非優位政党再編の総括 →
- 戦後、自由党系に対抗し得なかった改進党系の苦悩 →
- 日本社会党系の苦悩 →
- 理想主義と現実主義→
- 「野党ばかり再編」という問題→
- 自らの歴史を浅くした、民主党結成時の過ち →
◎第3極も、何度も登場
- 第3極も繰り返し出現 →
- 帝国議会開設当初の第3極 →
- 五十五年体制の第3極 →
- 民主党はかつて、第3極だった →
- 人気者に頼るという第2党交代の問題点と、中途半端な再編の繰り返し→
- 第3極の2極化 →
◎自民党の強さの秘密~あまりにでき過ぎた構造~
- 社会(民主)主義以外の全政党が合体してできた自民党 アメリカの支援も →
- 利益誘導政治による支持の拡大と安定 →
- 「なんでも約束」が許される自民党→
- 敵が増えれば自分に有利 →
- 低所得者のネトウヨ、かつて低所得者が多かった創価学会を味方にしている →
- 比例代表制でない選挙制度と1票の格差 →
- イギリスでも廃止! 総理大臣が勝てそうな時に衆議院を解散する権限 →
- 参議院がある →
- 地方に根を下ろせない野党第1党 →
- 今再び自民党内政権交代システム付万年与党体制強化へ →
◎世襲
◎いつも優位政党の離党者に頼らざるを得なかった野党
◎日本の第2党はなぜ弱いのか
- 社会党と民進党だけではない、戦前からの弱かった挑戦者たち →
- 進歩党の敗北 →
- 傷だらけの日本進歩党⇒民主党 →
- 社会党の不運と中道の限界 →
- 野党を経験不足にせず、「自民党と変わらない」と言わない →
- 野党再編をもう終わらせよう~民主党は完成形~ →
- バブル崩壊の頃、小選挙区制は第2党をつぶすための案だった? →
- 経験不足と、嘘っぽい公約は必然 →
- 自民党の先祖もダメな野党第1党 →
- 民進党の姿を決めているのは自民党? →
◎民進党に注文をつけるのは簡単だが
- 理解してあげて共に解決する有権者が必要 →
- 民主党→民進党よ労組を切れ! と簡単に言うな →
- 民主党→民進党よ共産党を切れ! と簡単に言うな →
- 民共共闘の意外なメリット →
- 民主党→民進党よ対案を掲げよ! と簡単に言うな →
◎民主党政権の失敗も1党優位のせい!?
民主党政権の失敗については、すでに分析が尽くされているが、ここでは1党優位との関係性について考えていきたい。
政権の失敗を具体的に思い出してみよう。
①歳出削減が不十分であったにもかかわらず、約束していなかった消費増税を決定…続きを読む
◎民主党の成長と幼さ
◎民進党にできたこと、できること
民進党が駄目だと言われた要因に、まとまりの悪さがあった。右派と左派に分かれるべきだという意見もあった。実際にそれに近い形となったわけだが、戦前の立憲国民党や戦後の日本社会党など、日本の非優位政党のそのような分裂は、すでに何度も経験済みのはずだ。特に社会党の系譜が、左右への分裂を繰り返している。…続きを読む
◎左派政党の刷新も政権交代も、イタリア人は成し遂げた
◎第3極がぶつかる壁
◎期待の星、第3極の新党の問題点
- 有力議員が少ない~敗者としての側面と、経験の不足~ →
- 第1、2極に引き裂かれる →
- 石原新党の失敗 →
- みんなの党の失敗 →
- 維新の失敗 →
- 頑固でなければできないが、その頑固さが命取り →
- 小池新党の失敗 →
- 社公共は第3極になれなかった? →
- 第3極右派もまとまらず・・・ →
- 日本維新の会の失敗、維新の党大阪派の失敗 →
- 真の保守も何度もつぶれ仲間を見捨てる →
- 維新、希望とイギリスの地域政党~政権交代を阻むもの~→
◎2012年総選挙、自民でも民主でもない地方分権派勝利の夢
2012年は、第46回総選挙における自民党の復権、民主党の大惨敗で終わったが、実は日本政治の一大分岐点であった。その機会が生かされることなく、2大政党制を通り過ぎて、1党優位制にまで逆行してしまったのである。その機会とは、民主党の第3党への転落により、自民党のライバルが別の政党に交代するというのにとどまるものではなかった。中央集権か地方分権かという、日本の将来を大きく左右する対立軸が示される可能性があったのだ。…続きを読む
◎小池新党圧勝に日本の未来はあったのか
- 民進党つぶしはありか? →
- 自民党とその金魚のフン連合の場合 →
- 新進党再興の場合 →
- 両方やる場合 →
- 真の第3極の場合 →
- 左派を増やした小池百合子 →
- 希望の党結成の光と影~何がいけなかったのか、何をすべきか~ →
◎野党が駄目だというのなら、どんな政党制を望むのか?
◎挑戦者をコロコロと替えないこと
◎結局協力するならケンカをするな
◎恐ろしい1党優位制、つまり自民党1強の弊害
さて、そもそも1党優位制の何が問題なのか、ここで考えてみたい。自民党1強であっても、良い政治が行われればよいのではないか? 国民が自由に投票して生まれた状況なのだから問題ないのではないか? これが違うのである。よく耳にするものも含めて、その弊害を挙げていく。
➀優位政党が政策等を点検しづらい…続きを読む
◎この国を守るためには、左派も右派も必要
◎政党を「コロコロ変える」には2種類ある
◎世界の1党優位(2020年6月に追加)
日本の1党優位の状況が異常だと言えば、当然、「他にそのような国はないのか?」ということになる。答えを先に言えば、多くの国々を調べたが、筆者が知る限り、1つの例外を除いて存在しない。…続きを読む
◎そんな日本の政治に2つの提案
筆者は、1党優位の状況を改善するため、以下の2つのことを提案しようと思っていた。2017年の民進党の分裂を見る前のことであるが、ここで、状況の変化についても念頭に置きつつ、その提案について述べていきたいと思う。
提案①:有権者を審査員とする、「第2党決定コンクール」の開催。…続きを読む
◎民進党の分裂について
- 民進党の弱体化と分裂への道→
- 立憲民主党に望むこと →
- そして、民進党の再建、変革、強化~新しい合流の形~→
- 国民民主党、無所属の会とは何か、新しい希望の党とは何か →
- 維新の会はどこへ行けばいいのか →
- 立憲民主党の支持率低下について →